ドキュメンタリー映画「いきたひ」〜家族で看取る

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こうして映画は完成した

 

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「生還」を信じて撮影した闘病生活

 2009 年、主人が癌で余命宣告を受けてから、闘病生活を撮影していました。薬学博士として末期癌の方々を何人か生還させてきた姿を傍らで見ていましたので、いつかビデオを主人と一緒に見ながら「生還への軌跡」として振り返る日が来ることを信じて撮っていました。
 結局二人で見返すことは叶いませんでした。
 主人が亡くなってからの数日は喪主として、やるべきことがたくさんあり、ビデオを回している場合ではなかったはずなのに、なぜか主人の遺体や子供たちの姿を撮影していました。
 今思うと、あの時から映画製作は始まっていたのかもしれません。もしかしたら主人が撮らせていたようにも思えます。
 主人が亡くなって3年半が過ぎたころ、大きな心境の変化がありました。「死への恐怖」が「生への肯定」へとつながり、生まれることと死ぬことは同じ位置にあることを感じるようになったのです。
 映画「おくりびと」のヒットで「納棺士」にスポットが当たり、亡くなった人を送ることの大切さが話題になりました。同じように人を看取ることの意味や大切さが伝わる映画を、誰かがつくってくれたらいいのに……と思っていました。
 そんな時、知人が「ひろ子さんが自分でつくれば?」と電話してきたのです。その言葉にスイッチが入ってしまいました。

 

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天地合同制作で完成

 夫を亡くした4児の母が、全く経験もないのに映画をつくりたいと思ってしまったんです。映画制作にかける経済的、時間的余裕も、技術も、機材も、人脈もない中で、思いだけがあり、とにかく動き始めました。
 ところが、いったん覚悟を決めてしまうと次々と奇跡的に、映画制作は導かれるままに進みました。必要な人たちに自然に出会えるし、どんどんスピードが加速されていきました。
 脚本の一文一文、一言一言は、主人の遺影の前に正座し、祈りの中で降りてきた言葉を紡いで書き上げたものです。
 映画音楽に関しても、ピアノを習ったこともない私の指が鍵盤の上に置くと自由に弾き始めました。どんどん生まれてくる曲をレコーディングしておいたのですが後で映像に音を重ねる段階になって、シーンごとにピッタリの曲が用意されていました。
 制作チームをつくることも、スポンサーを募ることもせず、自分で脚本を書き、自分の声で語り、家族を抱いて看取った方々にインタビューし、編集し、音楽も自分で作曲し、演奏し、主題歌を歌い、20 年来の友人が映像エンジニアで編集作業と音楽の録音や編曲を手伝ってく
れました。
 結局、専門知識もないまま思いだけで完成したのでした。
 映画を作ると宣言した時にカンパしてくれた友人たちの気持ちが背中を後押ししてくれました。
 映画に出演してくださった皆様はもちろんのこと、その方々に看取られ先立たれた方々と主人あっての映画です。まさに天地合同制作映画といったところでしょうか。
 タイトルは造語で生と死の合体文字です。生と死を切り離しては考えられないという意味もあり、生を活かすし死、死を活かす生、それをタイトル文字に託しました。書は実家の母に書いてもらったものです。 この映画に携わってくださったすべての方々に感謝いたします。

 


ドキュメンタリー映画「いきたひ」

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